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射出成形のヒケ対策|原因と具体的な改善方法【図解】
射出成形において「ヒケ」はよく発生する外観不良の一つです。
特に以下のような部分で発生しやすくなります。
- ボス周辺
- リブの根元
- 肉厚部
ヒケは製品の外観品質を大きく低下させるため、原因を理解して適切な対策を行うことが重要です。
この記事では
ヒケの原因と現場で使われる対策を解説します。
ヒケとは(不良の状態)
ヒケとは、樹脂の冷却収縮によって表面が凹む現象です。
内部の樹脂が収縮した際に、外側が引き込まれて表面がへこみます。
特に肉厚部分では内部の冷却が遅く、収縮量が大きくなるためヒケが発生しやすくなります。
ヒケが発生するメカニズム
ヒケは主に以下の流れで発生します。
① 樹脂が金型内に充填される
② 内部の樹脂が冷却収縮する
③ 保圧不足だと収縮を補えない
④ 表面が凹む
ヒケの主な原因
ヒケの原因は主に以下です。
① 保圧不足
最も多い原因です。
樹脂が固化するまで十分な保圧がかからないと、収縮を補えずヒケが発生します。
② 金型温度が高い
金型温度が高いと
- 冷却が遅れる
- 収縮量が増える
ためヒケが発生しやすくなります。
③ 肉厚設計
肉厚差が大きいと収縮量が変わるためヒケが発生します。
特に
- ボス
- リブ
- 肉盗み不足
は原因になりやすいです。
ヒケ対策(現場でよく行う方法)
保圧圧力を上げる
収縮を補う樹脂量を増やします。
保圧時間を長くする
ゲートシールまで保圧を維持することでヒケを防ぎます。
金型温度を下げる
冷却を早めることで収縮量を抑えます。
肉厚設計の見直し
設計段階で肉厚差を減らすことも重要です。
例えば
- リブ厚を母材の60%程度
- ボス周辺に肉盗み
などが有効です。
現場でよくある改善例
実際の現場では
- 保圧圧力を10%上げる
- 保圧時間を0.5秒延ばす
といった調整で改善するケースが多くあります。
ただし保圧を上げすぎると
- バリ
- 金型負荷
の原因になるため注意が必要です。
まとめ
射出成形のヒケは主に収縮によって発生します。
主な対策は以下です。
- 保圧条件の調整
- 金型温度の管理
- 肉厚設計の見直し
ヒケは射出成形では非常に多い不良のため、メカニズムを理解しておくことでトラブル対応がスムーズになります。